このレポートでは、2017年(平成29年)から導入された、「部活動外部指導員」制度の概要をまとめたいと思います。
目次
制度(改正)の概要
今回の制度は、“学校教育法施行規則の改定”という形で施行されました。(平成29年4月1日)
この制度の概要をできるだけ噛み砕いてまとめてみたいと思います。
各内容の下にはポイントとなる部分も分かりやすくまとめてみましたので、参考にしてください。
1.部活指導員の職務内容
⑴部活指導員(以下、指導員)は校長の監督の元、技術的指導を行う。
⑵指導員の職務は部活に関わる以下の内容が考えられる。
・実技的指導
・安全に活動するための知識や技能の指導
・学校外活動の引率
・用具や施設の管理
・部活動の運営(会計含む)
・保護者への連絡
・指導計画の作成 …学校行事との兼ね合い考慮し、校長の承認が必要。
・生徒指導 …問題があった場合には速やかに教員に連絡をする。
・事故対応 …事故が発生した場合には、速やかに教員に連絡する。
⑶校長は、指導員を顧問とすることができる。
…指導員のみを顧問とする場合でも、担当教員を置いて、⑵の対応を行う。
⑷指導員は、顧問教員、または担当教員との連携を十分に図る。
2.指導員に係る規則の整備
学校の設置者は指導員に係る規則を整備する。そこには、
・指導員の身分
・任用
・職務内容
・勤務形態
・報酬
・解職
など必要な事項を定めること。
3.指導員の任用
専門的な知識や技術のみではなく、学校教育に関する十分な理解を持つものを任用する。
4.指導員に対しての研修
学校側は、事前研修及び、定期的な研修を行う。研修では、
・教育的意義 …学校教育における部活動の位置付け
・学校の活動方針への理解
・発達段階に適した指導
・体罰の禁止
・生徒、保護者に対して誠実であること
などを取り扱う。
5.事故時の対応
指導員の指導中の事故も、一般的な事故同様の保険の対象になる。
6.適切な練習時間や休養日の設定
学校側は、練習時間や休養日に関していき過ぎたものにならないよう留意して定めること。
7.生徒、保護者、地域に根ざした指導
学校側は、指導員の配置にあたっては、事前の情報提供及び、保護者や地域の理解を得られるよう心がけること。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前回の記事に続いて外部指導員の制度の概要をまとめてみました。やはり「外部指導員を顧問にすることができる」というのは大きな変化の一つだと思います。
ただし、その分責任が発生することも間違いないので、採用などには注意が必要になってきますね。
そして、これまで以上の責任が発生するということは、報酬面でも金額設定と予算とのバランスをとりづらくなるなど、まだまだ制度を整える学校運営側には悩みが多いのでは、という印象です。
次回は、外部指導員が指導をしていくことの問題点について考えてみたいと思います。
(次の記事はこちら)→吹奏楽部の外部指導員の導入に関して|指導における3つの課題