2019年1月28日(月)アンサンブル・ルヴァンの最初の活動は、西新宿のガルバホールでの

“ONE”CONCERT~KANSYA~

これまでも事務所に間に入ってもらっての定期公演を4回行ってきましたが、今回はアンサンブル・ルヴァンとして初めてとなる主催公演。
お世話になった方々への「感謝」を込めた公演として企画させていただきました。

 

“ONE”CONCERTのコンセプト

“ONE”CONCERTの“ONE”には「一つの」という意味の他に「とある」という意味があります。
この“ONE”CONCERTは、

①各コンサート毎に「とあるテーマ」を設けてそのテーマに沿った演奏会にする
②アンサンブル・ルヴァンが様々な「編成」でお届けする
③会場のお客様と奏者が「一つ」になる

という3つのコンセプトを持ったコンサートとしました。

初回となる今回のテーマは「感謝」。記念すべき第1回ということもあり、各種管楽器に打楽器を加えた総勢13人の出演者を揃えてプログラムも盛りだくさんでお届けするコンサートとなりました。(メンバーのプロフィールはこちら

チラシ

今回の公演のチラシがこちら

写真だとわかりづらいですが一般的なチラシのサイズ(A4)より一回り小さいA5でハガキくらいの硬さがあります。

今回コンサートは、「感謝」がテーマで、開催が正式に決まったのが遅かったこともあり、チラシも沢山の人に見てもらうというよりは、「本当に渡したい人」に渡せるチラシを意識しました。

また、裏面はメンバーのプロフィール写真とテーマの文字だけのシンプルなものにしたかわりに「メッセージ欄」を設け各メンバーがお客様に渡すときに一筆書けるスペースを作りました。

そんなサイズや一筆スペースが、背景の富士山の写真とも相まって時期的にもなんとなく「年賀状」みたいなチラシが今回の公演のチラシでした。

 

プログラム

プログラムはこちら

 

前半〜音楽史の各時代毎の特徴的な曲〜

プログラムの前半では、

C.カンジェローシ:Tap Oratory(打楽器独奏)
〜スネアと電子音楽のために書かれた現代音楽〜(打楽器独奏)
U.アグナス編:スザート組曲(金管5重奏)
〜ルネサンス時代の舞曲〜
J.ハイドン:木管5重奏のためのディベルティメント 変ロ長調(木管5重奏)
〜古典派の器楽組曲〜
F&Cドップラー(神田寛明編):リゴレットファンタジー(木管6重奏)
〜ロマン派。ヴェルディのオペラを木管6重奏で〜

と、西洋音楽史の各時代の特徴的な曲を管楽器の各種アンサンブルでお聴きいただきました。

「ルネサンス」の舞曲、
「古典派」の時代に活発になった「器楽」の組曲(=ディベルティメント)、
「ロマン派」の人間的なオペラの名曲
「現代」の電子音楽と楽器のための曲

と、45分の中に西洋音楽史が「凝縮」したプログラムになりました。

 

後半〜多彩なジャンルの音楽〜

休憩を挟んだ後半では、

・R.ヴィードフ:Valse Erica , Saxophobia(Soloサックス+アンサンブル)
〜サックスの草分け的奏者が残した意欲作〜
・P.ネーゲル:JIVE for FIVE(金管5重奏)
〜20世紀のジャズダンス〜
・G.F.ヘンデル(ヘンダーソン編):セインツハレルヤ (金管5重奏)
〜カナディアンブラスを讃えて〜
・J.シュトラウス2世(川口晃編):喜歌劇『こうもり』より序曲(管打楽7重奏)
〜ウィーン・フィルニューイヤーコンサートの定番曲〜
・R.ワーグナー(川口晃編):『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より前奏曲(管打楽10重奏)
〜ワーグナー晩年の傑作〜

と「ワルツ」から「ジャズ」、さらには「オペレッタ(喜歌劇)」からワーグナーの「楽劇」まで多彩なジャンルの音楽をソロや大編成の管打楽アンサンブルでお届けしました。
ちなみに、アンコールには、

・J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲(全員)

1月ということで、これまたウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの定番曲を出演者全員でお送りしました。

 

「感謝」の文字

“ONE”CONCERTのテーマを決めた段階で「インパクトのある文字」が必要になりました。
今回のコンサートのチラシやプログラムでも一際目を引くこの「感謝」の文字。

代表の藝大時代の同期で能楽師の小野里泰樹の奥様で書道師範の小野里栄里さんに書いていただきました。

インパクトがある中にも、すっきりとした空気を感じさせる「感謝」を書いていただくことができ、チラシを見たメンバーやお客様からも「素敵な字ね」といったお言葉をいただきました。

公演当日もステージに飾らせていただき、コンサートの「テーマ」として存在感を放ってくれていたように思います。

この文字については今後の“ONE”CONCERTでも続けていく予定ですので、テーマの「文字」にも注目してみてください。

 

ロゴとプレゼント

団体ロゴ

今回の主催公演を前に「団体のロゴを作成しよう」ということになりました。
以前から、団体ロゴ作成の話は出ていたのですが、今回の公演を機に団体ロゴができました。そのロゴがこちら、

ルヴァンの語源でもある、漢字の「風」とイニシャルの「L」を型どった印象的なロゴを、これもやはり藝大時代に代表がお世話になったデザイナーの山口崇多さんに作っていただき今回の“ONE”CONCERTでお披露目となりました。

「一度見たら忘れない」そんな味のあるロゴをメンバーもとても気に入っています。

プレゼント

そして、このロゴを生かしたグッズを今回の公演では「プレゼント」としてお客様にお渡しさせていただきました。プレゼントは、クリアファイルと缶バッジ(4種)の2つ。

こちらもロゴ同様山口崇多さんにデザインしていただき素敵なグッズができました。

今回、「感謝」の思いを込めたコンサートということもあり、

「お客様にはとにかく幸せな思いで帰っていただきたい」

という思いがありました。

もちろんクラシックのコンサートなので演奏がメインですが、ヨーロッパでオペラを聴きに行ったりすると、お客さんはコンサートの前後でお酒を飲んだり、お話をしたりとそれ以外の部分も全部含めてコンサートを楽しんでいるのを目にします。

今回の“ONE”CONCERTも音楽を含めたコンサート全体を通して「幸せ」な気分になっていただけたらと思い、そのひとつとしてプレゼントをご用意させていただきました。

 

ガルバホール

今回、会場として西新宿駅近くの「GARBA HALL(ガルバホール)」を使わせていただきました。
席数は最大で70席ほど、ピアノはベーゼンドルファーのグランドピアノが置いてあります。

そして、日本のこの規模のコンサートサロンホールには珍しく内装にとても雰囲気があります。

19世紀末からヨーロッパで流行したアール・ヌーヴォー様式(植物をモチーフにした流れるような曲線が特徴の装飾様式)を取り入れており、一歩足を踏み入れた瞬間に別世界に入り込んだような気分を味わうことができるホールだと思います。

この素敵なホールのおかげで今回のコンサートに向けて様々なアイデアをイメージすることができました。そういう意味でも、コンサートはその会場の雰囲気も含めて大切だなと改めて感じます。

 

企画と動員

実は、今回のこの“ONE”CONCERT。普段東京にいないメンバー(札幌交響楽団:川口晃、カラヤンアカデミー:古谷拳一)が偶然この日に東京に帰ってきていることが分かり企画できたという側面がありました。

そのため、開催が正式に決まったのは実は1ヵ月前。

そこからホールをおさえ、企画会議をし、チラシを配り、プレゼントを作り、プログラムを決め、リハーサルをし…

と本当に怒涛のような1ヵ月を経て当日無事に開催することができました。

そして、本当に直前のお知らせだったにも関わらず、当日は60席並べることができた客席に対し、なんと59名という満員のお客様にお越しいただき、会場の皆様との幸せなひと時を過ごすことができました。ご来場いただいたお客様には本当に「感謝」しかありません。

お客様

当団体がこれまでお世話になったたくさんの方にお越しいただくことができました。メンバーそれぞれのお客様のほか、

・吹奏楽指導「ルヴァン・クラブ」の先生方
・北区文化振興財団の方
・ロゴデザイナーの山口崇多さん
・当団体にアレンジを提供してくださる先輩
・過去公演でお世話になったコンセール・ヴィヴァンの皆様
・楽器店のみなさま

などなど、多くの方にお越しいただき、公演のテーマ通りこれまで当団体がお世話になった皆様への「感謝」の場とすることができました。

もちろんテーマが「感謝」ということで、これまでに当団体がお世話になった方々を中心にお声がけさせていただいたのですが、中にはインターネットを見た一般のお客様にも何名か足をお運びいただき、終演後にはそういった今まで当団体とは関わりのなかったお客様からもあたたかい言葉をかけていただくき、本当に光栄でした。

これからも、この“ONE”CONCERTは定期的に開催していきますが、当団体を応援してくださる皆さんはもちろん、今まで管打楽器に馴染みのなかったお客様でもお楽しみいただけるような演奏会にしていきたいと思いますので、今後のコンサートもぜひ足をお運びいただけますと幸いです。

 

さいごに〜アンサンブル・ルヴァンの魅力〜

今回、コンサートにお越しいただいたお客様からも、

「色々な編成の色々な曲を堪能できた」
「たくさんの種類の楽器の奏者が一堂に介していて見ても聞いても楽しかった」

といったお声を多くいただきました。

私たちアンサンブル・ルヴァンは「管楽器各種1本+打楽器」という他にはない編成のウインド・アンサンブルの団体ですが、このコンサートを通して私たち自身も改めて「管打楽器の可能性」を感じています。

時代でいえば、「ルネサンス」から「現代」まで。
ジャンルも「クラシック」オリジナルから「ワルツ」や「ジャズ」まで。

様々な時代の、様々なジャンルの曲を管打楽器だけで演奏していく。
そしてその多くをアレンジしてくれるメンバーがいる。

これは、他の団体にはあまりない私たちアンサンブル・ルヴァンの魅力だと思います。

これからも、この“ONE”CONCERTでは、よりたくさんの一般のお客様に楽しんでいただけるような演奏や企画を続けていけたらと思いますので、今後の“ONE”CONCERTにもぜひご期待ください。

最後になりましたが、今回平日の夜にも関わらず私たちの演奏会に足をお運びくださったみなさま、また本公演に関わってくださった全ての方々への「感謝」を改めてお伝えしたいと思います。

本当にありがとうございました。

Ensemble Levent

 

 


お知らせ

次回公演は6月30日(日)打楽器メンバーによる“ONE”CONCERTです。お楽しみに。