2014年の結成当初より学校公演事業を行ってきた当団体Ensemble Leventは、初めて採択された令和6年度に続いて令和7年度(2025年度) 舞台芸術等総合支援事業(学校巡回公演)も2年連続の実施団体として採択されました。

そして、令和7年度に割り振られたエリアはなんとGブロック (鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 広島市 岡山市)。

今回、この中国地方ブロックに割り振られたことは当団体にとって非常に光栄なことでした。

本記事は、巡回公演事業に当団体を検討いただいている学校様に向けたレポートとなっております。よろしければご一読の上、ぜひ当団体をご選択いただく材料としていただければ幸いです。

 

1.異例の採択数をいただいた採択初年度

先に書かせていただいた通り当団体Ensemble Levent(ルヴァン)は、令和6年度に任意団体としては異例となる採択をいただきました。(当団体以外の音楽団体は法人格を持つ歴史あるオーケストラなどが採択されています。)

音楽分野にいおいて、歴史あるオーケストラに肩を並べていただきラインナップされた昨年。

採択学校が決定するまでは

「私たちに一体どのくらいの学校が応募してくださるのだろうか・・・」

と正直不安な気持ちもありました。

(その時のことは下記記事をご覧ください)

【魅力編】巡回公演事業におすすめできる団体としての6つの意義|令和6年度文化庁学校巡回公演実施団体として

令和6年度実施校一覧

しかし、蓋を開けてみると大変ありがたいことに全26校の学校様から「第一希望」という形でご希望をいただくことに。全ての学校に伺わせていただき、令和6年度には下記の学校様にて実施させていただくことができました。

小学校 17校

北茨城市立関南小学校 様
北茨城市立大津小学校 様
守谷市立御所ケ丘小学校 様
笛吹市立一宮西小学校 様
山梨市立八幡小学校 様
松戸市立六実第三小学校 様
柏市立逆井小学校 様
市原市立市西小学校 様
八千代市立八千代台小学校 様
白子町立南白亀小学校 様
江東区立小名木川小学校 様
大田区立馬込第三小学校 様
中野区立江古田小学校 様
荒川区立第九峡田小学校 様
八王子市立横山第一小学校 様
青梅市立第一小学校 様
東村山市立秋津小学校 様

中学校 5校

南アルプス市立若草中学校 様
北杜市立須玉中学校 様
甲州市立塩山北中学校 様
足立区立第十一中学校 様
多摩市立青陵中学校 様

特別支援学校 4校

千葉大学教育学部附属特別支援学校 様
東京都立八王子東特別支援学校 様
東京都立青峰学園 様
愛育学園 様

まさかこれほどまでに多くの学校様からご支持いただけるとは全く思っていませんでしたが、26校の学校において公演できたこと(ワークショップも含めると全52公演)は、団体にとっても大きな経験となり、本当に貴重な体験をさせていただきました。

 

2.文化庁公演の概要

文化庁巡回公演事業のプログラム

文化庁巡回公演事業では、原則として全ての学校において同一プログラムを実演します。

今年度の当団体のプログラムは、採択初年となった令和6年度のプログラムをさらにブラッシュアップした形で、オリジナリティあふれる内容となりました.

今年度のプログラムはこちら(出演希望調書)

具体的な当団体のプログラムの特徴をいくつかご紹介させていただきます。

  • 子どもを飽きさせない多様なプログラム(独奏、各種アンサンブル、大編成)
  • 和楽器(和太鼓)を加えた東洋と西洋の対比(当団体委嘱作品を含む)
  • 小編成ならではの奏者の「顔」が見えるコンサート
  • 毎公演実施し定評のあるメンバーによる司会進行

 

共演コーナー 〜「ともに創る芸術鑑賞会」〜

ところで、年間通して同じプログラムを26回行うということは、団体としてもそれなりに体力を必要とすることですが、学校ごとに先生方とも綿密な打ち合わせ(①年度はじめ(ご挨拶)・②ワークショップ前(メール含む確認)・③ワークショップ時(最終確認))を行うことで限られたプログラムの中でも可能な限り学校に寄り添ったプログラムを実施してきました。

具体的には学校ごとの

・指揮者体験
・共演コーナー(合唱・合奏など)
・校歌演奏

なども公演内にバランスよく組み込み、単に一方向的な公演内容とならないように留意しています。

そして、これはこれまで私たちが採択以前より大切にしてきた「ともに“創る”芸術鑑賞会」というコンセプトに則っています。

また、特別支援の学校様での実施をする際には

・子どもたちの集中力
・学校様のリクエスト

等もいただき、文化庁事務局とも相談の上公演内容、公演時間を調整させていただくなどの配慮も行いました。

昨年度好評の声とブラッシュアップによる質の高い鑑賞会〜評価員の評価〜

そういった実施スタイルをすべての学校で行っていったこともあってか、実施したすべての学校において(もちろん若干の社交辞令はあったと思いますが…)

「子どもたちに寄り添ってくれる公演内容で本当に良かった」

「今まで聞いてきた鑑賞会の中でも一番良かった」

といったありがたいお言葉をいただくことができました。

また、事業実施中に行われる文化庁評価員の方からの視察においても具体的なブラッシュアップのアドバイスをいただき、

「プログラミングが非常に良い。感動した」

「司会進行(当団体は演奏者自らがMCをつなぎます)が非常によく子どもを飽きさせない」

「今後ももっと頑張っていってほしい団体である」

といったお褒めの言葉を頂けたことで自分たちの企画に対してある種の「自信」も持てるようになったように思います。

 

令和6年度に全26校の学校で公演を実施させていただけたことで

・巡回公演事業に体する円滑な運営
・企画プログラムの優位性や独自性についての再認識
・団体としての学校公演における一定の自信

を得ることにつながりました。

 

そして、これらの経験を通してさらに洗練され進化したプログラムを令和7年度は中国地方の学校様にお届けに上がりたいと思っております。

 

3.ルヴァンと西日本

当団体の“色濃い”中国地方とのつながり

さて、ここからがこのレポートの本題。

令和7年度採択いただいたエリアはGブロック (鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 広島市 岡山市)ですが、実はこのGブロックは私たちが希望していたエリアでした。

ルヴァンにとっては中国地方と切っても切れない縁のある団体なのです。

当団体は2014年に東京藝術大学の卒業生によって結成された団体で、現在は東京・関東圏を中心に演奏や指導活動を行なっていますが、なんと所属メンバーの多くが中国地方にゆかりのあるメンバーとなっています。

全13名のメンバーのうち、

  • 兼清颯(ユーフォニアム・代表) →大町小学校・安佐南中学校・基町高校卒業
  • 古土井友輝(トランペット) →安芸南高校卒業
  • 石田彩子(フルート) →父方の出身が広島

3名は広島出身と中国地方の出身です。

(そのほかにも、当団体にアソシエイトメンバーとして関わってくださる日本フィルハーモニー管弦楽団副主席クラリネット奏者の楠木慶氏も呉市出身で修道高校卒業)

さらに、そのほかのメンバーも関西や四国・九州地方の出身者が圧倒的に多く全体的に『西』の血が濃い団体なのです。

 

4.さいごに

さいごにこの記事のまとめとともに当団体を呼んでいたくにあたり、こんな学校におすすめ!といったポイントについてもお伝えしておきたいと思います。

記事まとめ

  1. ルヴァンは令和6年度に巡回公演事業に初採択をされた結成10周年のフレッシュな団体である
  2. 令和6年度の公演は全26校で多くの学校や調査員の方からお褒めの声をいただけた
  3. 令和7年度は昨年度の内容をさらにブラッシュアップして中国地方に
  4. ルヴァンには中国地方(特に広島)と縁のあるメンバーが多い

こんな学校におすすめ(ルヴァンを呼ぶメリット)

昨年度実施した上で学校現場の先生方からいただいたルヴァンを呼ぶ学校側としてのメリットをお伝えさせていただきます。

  1. 小規模校(出演者の人数が13名と限られているので小規模校でも生徒数とのバランス良い公演ができます)
  2. 大規模校(ステージの広さがオーケストラ等に比べて大きくないため生徒数の多い学校でも全校生徒で実施しやすい)
  3. 体育館が2階(搬入大型打楽器が限られるため体育館が2階にある学校でも実施できます)
  4. 搬入経路が狭い
  5. 広島の学校(団体内に広島ゆかりのメンバーが多いためストーリーが生まれやすい)

 

中国地方に戻れる喜び〜代表・兼清の想い〜

そんな私たちの団体アンサンブル・ルヴァンは2024年に結成10周年を迎えましたが、その節目となった年の翌年に中国地方の子どもたちとのご縁をいただけることになったという事実には、私たち自身も“不思議なご縁”を感じており、呼んでいただけたあかつきには、より一層心を込めてこの事業に取り組んでいきたいと思っております。

そして、これは代表である私、兼清の個人的な“想い”ですが、自分が生まれ幼少期から高校時代までを過ごした思い出の残る広島の地に、私が大切にする(そして誇れる)ルヴァンの仲間とともに戻る機会をいただけたことは、まさに「恩返し」そのもので、感謝の気持ちを持って、一人でも多くの広島(中国地方)の子どもたちに音楽を届けられたらと切に願っています。

 

文化庁の巡回公演事業は国の予算を活用することで学校側の費用負担なく実施ができる素晴らしい事業です。

そして私(や多くの他のメンバーもそうなのですが)、地方の公立学校出身です。

学校、地域、家庭と様々な事情で“生”の文化芸術に触れる機会が少ない子どもたちもいます。

そんな子供たちに、少しでも本事業を通して音楽の素晴らしさや芸術の尊さをお伝えできればと思います。

そしてその活動をもって少しでも「故郷に錦を飾る」ことができれば、私自身もこの上ない幸せです。

別記事では、実際の「申請の手順」について具体的にお話ししております。

この記事を読んで少しでも私たちに興味を持ってくださった先生方は、ぜひ実際に申請をしてみてください。

 

【申請編・専用データあり】令和7年度版|文化庁学校巡回公演の申請方法〜ルヴァンを学校に呼ぶ〜|令和7年度文化庁学校巡回公演実施団体として

 

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