2020年2月27日(木)。東京都北区にある“北とぴあ”にて『Ensemble Levent 5th Concert』を開催いたしました。
正式なタイトルは
『Ensemble Levent 5th Concert 13人で奏でるウインド・アンサンブルの名曲~巨匠フレデリック・フェネルを讃えて~』
この公演は北区文化振興財団に後援、光山文化財団から助成をいただいて行った団体5回目となる定期公演でした。
なお本公演は同時期に開催したもう一つの主催公演『3世代で楽しむ!ルヴァンファミリーコンサート』
と併せて“2つの贈りもの”公演の一環としてお送りしています。
(関連記事→)3世代で楽しむ!ルヴァンファミリーコンサート
団体主催の定期公演としては、2017年にムジカーザで行った4thConcert以来3年ぶりの定期公演でウインド・アンサンブル(管打楽13重奏)の編成でお届けした初の公演となりました。
コンセプト
本公演は、
吹奏楽界の巨匠フレデリック・フェネル氏の偉業を讃える
コンセプトのもと開催しました。
当団体Ensemble Leventフェネル氏が提唱した
各パート1本ずつによる吹奏楽=ウインド・アンサンブルの形態
を踏襲している団体なのですが
(参考ページ)→プロフィール
今回の定期公演では13人の管打楽器奏者によるウインド・アンサンブル編成で様々な吹奏楽曲をお届けしました。
フレデリック・フェネル氏について
フレデリック・フェネル(Frederick Fennell,1914〜2004)
アメリカオハイオ州クリーブランド生まれ。吹奏楽界におけるもっとも影響力のある指揮者の一人で“各パート一人ずつ”の編成からなる「ウインド・アンサンブル」の形態を提唱し、現在の吹奏楽の基礎をつくりあげた。本人は打楽器で修士号まで取得しており、自身の指揮による多くの録音はその緻密で卓越した楽曲づくりや録音技術によって今なお色あせていない。
日本では東京佼成ウインドオーケストラの桂冠指揮者としても知られており、同団体の定期演奏会のほか各種録音、音楽鑑賞教室なども精力的に行なうなど吹奏楽の発展に与えた影響は計り知れない。
(以上公演プログラムより抜粋)
会場〜北とぴあ〜
今回のコンサートの会場は王子駅にほど近い北とぴあのつつじホール。
1990年に開館したホールで、大ホールのさくらホールと合わせて年間通して多くの公演が行われているホールです。
チラシ
今回のチラシはこちら。
2つの贈りものと題して行う公演チラシで下半分が5thConcertのチラシになっていました。
プログラム
この公演ではフレデリック・フェネル氏が力を入れて残した膨大な録音アルバム「Frederick Fennell The Collection」より選曲プログラミングを行いました。
前半はイギリス人作曲家の作品を中心に3曲を取り上げました。
「*」の曲は「Frederick Fennell The Collection」より選曲。
W.ウォルトン(山田大 編曲)/戴冠行進曲《王冠》*
…20世紀のイギリス音楽を代表する作曲家ウォルトンが1937年にジョージ6世の戴冠式のために書いた元は管弦楽のための作品。英国らしい気品あふれるハ長調の行進曲。
G.ホルスト(川口晃 編曲)/吹奏楽のための第一組曲*
…「もしこのスコアを真に理解したならば、それは音楽と指揮というものすべてを理解したのと同じだ」とフェネルが口にしたほどの吹奏楽における古典的名曲。世界初録音は1955年にフェネルによって行われている。
N.ヘス/イースト・コーストの風景
… イギリス出身の作曲家ヘスがアメリカの東海岸(イーストコースト)を訪れた際の印象を3つの楽章にまとめた作品。自然と別荘のあるシェルター島、ゆるやかな山地が広がるキャッツキル、大都会ニューヨークの3曲から成る。
休憩を挟んで後半では、フェネル氏の故郷でもあるアメリカの作曲家3人を取り上げました。
J.P.スーザ(川口晃 編曲) : エル・キャピタン *
…オペレッタ「エル・キャピタン」に登場する旋律を抜粋、構成した行進曲。8分の6拍子から途中4分の2拍子に変わるのもこれが要因。「マーチ王」として知られるスーザだが、オペレッタや組曲なども多く残している。
L.アンダーソン(永野雅晴 編曲) : アンダーソンメドレー *
タイプライター〜シンコペーテッドクロック〜ワルツィング・キャット〜トランペット吹きの休日
…アメリカ軽音楽の巨匠として知られるアンダーソン。その中でも特に有名な4曲を打楽器奏者永野雅晴の編曲によるメドレーでお送りします。ユーモアたっぷりな仕掛けが見どころ。
A.リード(川口晃 編曲) : アルメニアン・ダンス Part1
…ニューヨーク生まれで20世紀の吹奏楽界を代表する作曲家A.リードの代表作の1つ。アルメニアの民謡が素材となっており、このPart1では5つのアルメニア民謡が続けて演奏される。
アンコールはイギリスとアメリカにちなみ、またオリンピックイヤーということでJ.P.スーザ『海を越える握手』をお送りしました。
『吹奏楽のための第一組曲』『エルキャピタン』『海を越える握手』の3曲は楽譜も販売しております。
今回の公演に伴い、当団体の創設時メンバーでもある現札幌交響楽団フルート奏者の川口晃氏、チューバ奏者の山田大氏、若手作編曲科の西下航平氏など多くの方に編曲(トランスクリプション)をお願いすることができました。
関係各所のみなさま誠にありがとうございました。
出演
出演は私たちEnsemble Leventのメンバー13名。
Ensemble Levent
・石田彩子(Flute・東京藝大卒)
・佐竹真登(Oboe・日本フィルオーボエ奏者)
・西澤いずみ(Clarinet・東京藝大院卒)
・山﨑憂佳(Saxophone・海藻姉妹主宰)
・大内秀介(Faggot・日本フィルファゴット奏者)
・古土井友輝(Trumpet・東京フィルトランペット奏者)
・重井吉彦(Trumpet・東京藝術大学卒)
・庄司雄大(Horn・藝大フィルホルン奏者)
・竹内優彦(Trombone・The Orchestra Japanトロンボーン奏者)
・兼清颯(Euphonium・Ensemble Levent代表)
・芝宏輔(Tuba・ぱんだウインドオーケストラチューバ奏者)
・永野雅晴(Percussion・東京藝大院卒)
・永野仁美(Percussion・東京藝大院卒)
現在はそれぞれがオーケストラや吹奏楽、アンサンブル奏者として活躍する若手演奏家で、東京藝術大学時代を同時期に過ごした13名のメンバーでお送りしました。
協賛各社
今回の公演開催にあたり企業協賛として下記3社にご協賛いただきました。
・越野建設株式会社…北区内建設会社。音楽家向け防音賃貸『音楽マンション』
・株式会社下倉楽器…御茶ノ水をはじめ関東圏内に展開している大手楽器店。
・株式会社Dolce楽器…新宿にある大手楽器店。
(敬称略)
私たち団体のメンバーも個人的によくお世話になっている楽器店各社にご協賛いただくことができました。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
公演を終えて
久しぶりの開催となった定期公演。これまでは金管5重奏、木管5重奏、各種アンサンブルを中心にした公演が主でしたが、
今回初めてウインド・アンサンブル(小編成吹奏楽、管打楽器13重奏)による公演をお届けすることになりました。
出演後意外と多かった声が
「大編成の曲が意外と映えるね」
というお声。
近年少子化が広がり団体によっては小人数での活動を余儀なくされていることも少なくないと思いますが、
私たちルヴァンの活動を通して、
人数の少ない団体でも大編成と同じような曲に挑戦でき、吹奏楽を楽しむことができる。
ことをこれからも発信していけたらと思っております。
今回の公演はルヴァンから北区へ感謝を込めた公演で、団体としては初めての主催でのファミリーコンサートでした。
最後に、今回の5th Concertはコロナウイルスの感染症騒動の序盤ということもあり、イベント各種が中止や延期となる中での開催となりました。
そんな中で当コンサートも感染症対策をした上で開催に踏み切りましたが、結果的に多くのお客様に足を御運びいただけたこと出演者一同大変ありがたく感じておりました。
ご来場くださったみなさまに今一度お礼申し上げますとともに、
事態が一刻も早く終息し多くの方が安心して音楽を楽しむことができる日が来ることを心より願っております。
ご来場誠にありがとうございました。
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